巷で言われる浴衣のアレコレ、ウソ?本当?普段着としての見解

ハウツー

ごきげんよう、普段着キモノスキーの椎名さん。です。

本日は「巷で言われる浴衣のアレコレ、ウソ?本当?普段着としての見解」のお話です。

浴衣のシーズンですね

これを書いているのは2021年6月ですが
梅雨は・・・どこ・・・?
というくらい雨が少なく気温の高い日々が続いています。

あまりにも暑いので今年の私は既に浴衣を出して着ていますが、
そういえば初心者キモノスキーの頃
浴衣にまつわるアレコレを聞いて「?!」と思ったことがいくつかありました。

それは
浴衣を着ていいのは7.8月だけ!
浴衣は家で着るもの、外に着て行ってはいけない!
浴衣は半幅帯じゃなきゃダメ
浴衣を着物風に着るのもアリ☆

というもの。
初心者キモノスキーの私にとってそれは
「なんで?何言ってるの??どういうこと??」
と思う情報でした。

だって6月はもうしっかり暑いし
お祭りでは沢山浴衣姿を見かけるし
半幅帯以外が駄目なんてはじめて聞いたし
着物風・・とは?ナニソレ・・・?という状態でした。

つまり何も分からなかったんです(笑)

そしてその頃の私は分からないからこそちょっとだけ調べて
なんでそういう説があるのかを知ったり
現在普段着として着ている人がどう振舞っているのかを知ったり
と繰り返して今の私のスタイルがあります。

いつか着物を着られるようになりたいなぁ・・・
と思っている人にとって
浴衣は最高にハードルの低い着物のスタートだと思います。

だからこそ、最初に手を出した時
ナニソレ?!に出会ってしまうのも多いような気もします。

そんなルール初めて聞いた!という方から
実はうっすら不安なんだよね・・・と思っている方に
少しでも参考になれば幸いです。

浴衣にまつわるアレコレ

私が初心者キモノスキーの頃に聞いた
浴衣にまつわるアレコレ4選のお話です。

浴衣を着てOKなシーズン


(今年はもう着てます)

ひとつ目は
浴衣を着ていいのは7月よ8月だけであとはダメ!
というもの。

着物の暦は一般的に
10月~5月までは袷(裏地のある着物)
6月と9月は単衣(裏地のない着物)
7月と8月は夏着物(浴衣を含む)
とされています。

確かにこのルールに従うならば
浴衣を着ていいのは7月・8月のみ!ということになります。

でもこれ、現在の私はあまり気にしていません。

普段お洋服を着ていて
「今日から絶対半袖!」とか
「今日から絶対コート必須!」とはなりませんよね。

あー、今日は暑くなりそうだから半袖にしよーとか
寒くなってきた・・・カーディガン持って行こう☆となります。
着物も同じでしょ?と思うのです。

冠婚葬祭やお茶会などフォーマルな場では
主催者へ確認してそれに従う方が無難であろうとは思いますが
浴衣はそもそもがカジュアルなものですし
フォーマルな場に着て行くようなものではありませんから
自分の体感温度を優先させてOKです。

何と言っても温暖化なので
最高気温も平均気温も30度以上の気温の時間数も
昭和の時代とは違います。

ルールとされていることを守って熱中症になる・・・
なんて笑えないですからね。

初心者キモノスキーの頃はそれでもちょっとは気にしていましたが
現在はSNSで見かける普段着キモノスキーをはじめ
実際に着付を教えている先生たちも
「暑ければ夏物を着ましょう」
と発信している方を多く見かけます。

日本国内でも南の方面に暮らしている人は
「5月でも暑くて浴衣だよ!」っていう人もいますし
北の方に暮らしている人は
「6月いっぱいまでしっかり単衣で過ごせます☆」
という人もいます。

首都圏に暮らす寒がりな私の感覚だと、仕事に行くときの格好が
ニット素材はそろそろ無理だな・・・
と思うのが袷から単衣に着替えるタイミングで
もう半袖にしようかな・・・
と思い始めるのが夏着物や浴衣に切り替えるタイミングです。

この普段着ているお洋服の感覚で切り替える
というのは結構有効なのではないかと思います。

暮らしている地域や天気、
自分が暑がりか寒がりか・・・というのでも随分違ってきますから
ご自身の体感を大事にすることをお勧めします。

→関連記事「着物の衣替え、いつする?何をすればいい?ズボラな私の春→夏編」

 

浴衣は家で着るもの?


(3万円越えの部屋着・・・?)

ふたつ目の「?!」は
浴衣は家の中だけで着るもの!外に着て行くなんて恥ずかしい!
というものです。

お祭りや花火大会では沢山浴衣姿の人を見かけるし
呉服屋さんではそれなりのお値段の浴衣を売っている
それなのにお外に着て行くのがタブーってどういうこと?!
私はお家の中でしか着られないものに3万以上払ったの?!
と、当時の私は混乱しました。

これはこの話をしていた人が指している「浴衣」と
街ゆく人が着ている「浴衣」が別物だからです。

浴衣は家の中だけで着るものです!という時に指している「浴衣」
は、旅館でパジャマとして用意されているような対丈の薄手のものです。

こちらは昔の「湯帷子(ゆかたびら)」に近く
さかのぼれば裸でお風呂に入らなかった平安時代に
貴族が着て入っていた麻素材のものがもとになっています(Wikipediaより)

そして花火大会やお祭りで見かける可愛い浴衣たちも元は同じですが
昭和の時代にお洒落着として発展して現在の形ができています。

確かに旅館の浴衣は素材も薄く、ゆるりとしていて
温泉街を歩くくらいならともかく
例えば繁華街でお買い物をしたり、
お洒落なカフェでランチをしたり・・・
というのは何だか抵抗があります。
いうなればバスローブ、
もしくはワンマイルウェアといった感じでしょうか。

対してお洒落着としての浴衣は
Tシャツにデニムみたいなカジュアルな存在です。

ネクタイを締めていくようなレストランには行けないけれど
友だちとのお買い物ならOKというくらいの立ち位置です。

一般的に現在お店やネットで販売されているのものは
お洒落着として発展したタイプの浴衣です。
リサイクルでは時折旅館の寝巻のような浴衣も売っているのを見かけますが
基本的にはやっぱり街に着て行ける浴衣がほとんどだと感じます。

もし旅館の寝巻みたいなのが欲しい!という場合は
白地に紺の線で模様の描いてある丈の短いものを探してみてください。
寝巻としての浴衣も結構快適でいいものです。

浴衣に合わせるのは半幅帯限定??


(これは浴衣+博多織の名古屋帯)

みっつ目は
浴衣に合わせるのは半幅帯のみ!
というものです。

言われてみれば着付けの本を見ても
浴衣の時はみんな半幅帯を締めていますし、
わざわざ名古屋帯でお太鼓を作らなくても
半幅帯には色んな結び方があります。

初心者キモノスキーの頃の私は
帯揚や帯締などの小物も今ほど持っていませんでしたし
小物が少なくても締められる半幅帯オンリーだと言われても
浴衣ライフに困ることはありませんでした。

でも、そんなにダメなことなのかなぁ・・・
と疑問に思ってはいました。

これは
横森美奈子のおしゃれ着物コーデ帖――かしこく愉しむリユース着物活用術」という本を読んで
あ、別に名古屋帯でもOKなんだな。
と思うことができました。

著者の横森美奈子さんはスタイリストさん、そしてデザイナーさんだそうですが
本の中で
「半幅帯だとおしりが全部見えてしまうし、カジュアルになり過ぎる。
大人っぽく着るにはお太鼓を選ぶ」
と書いています。

載っている写真を見ると
なるほどカジュアルになり過ぎない浴衣スタイルだなぁと感じます。
これを見て私は
特に名古屋帯が禁止事項!というわけではないと知りました。

今では時折浴衣+名古屋帯をすることもあります。
(とはいえ半幅帯の方が涼しいなと思うので盛夏にはあまりやりませんが・・・)

名古屋帯を合わせるときに気を付けるのは素材感の違いです。
浴衣は軽く、カジュアルなものなので
厚さや重さのある(例えば総刺繍の絹の)名古屋帯だとチグハグになってしまうからです。

お洋服で例えるならば
毛皮のコートを着て足元がビーチサンダル
みたいな感じでしょうか。

このチグハグを生まないように
例えば綿のものであったり、
博多織の軽いものであったりを選ぶと違和感なく締められます。

ちなみに浴衣の時に締める帯と言えばもうひとつ、
兵児帯がありますが、こちらもカジュアルな存在なので
もちろん浴衣と合わせてOKなアイテムです。

カラフルでお安く、帯結びも難しくないので
「帯結びできない!でも浴衣着たい!」
という人にもお勧めですし、
「簡単に華やかにしたいなぁ」
なんて時も重宝します。

→「初心者の頃着物コーデの参考にした本ベスト3!」

 

浴衣を着物風って何??


(つまりこの状態は着物風浴衣)

最後は「浴衣を着物風に着る」って何??
ということです。

私は自分で着物を着るようになるまで
浴衣と着物の違いを知りませんでした。

夏場に着るのが浴衣、あとは着物。
着物より浴衣の方が着るのが簡単。
当時はこれくらいの知識(とも言えないような認識)です。

そんな私にとって
「浴衣を着物風に着る」
というのは「ナニソレ美味しいの・・・?」
という感じでした(笑)

浴衣と着物の違いは素材、厚さ、重さ、織・・・
色々違うところはあるのですが当時の私はいまひとつ理解できず
だから・・・結局・・・どういうこと??
と思っていました。
(これも徐々に理解していきました)

なので、当時の私と同じような知識量の友人に
「浴衣と着物って何が違うの?」
と聞かれたときはこう答えています。

衿が出ているのが着物、出ていないのが浴衣、と。

下に衿付きの襦袢を着ているかどうかがぱっと見で分かる判断基準です。
ざっくりし過ぎかもしれませんが、これが1番分かりやすく伝わりやすいように思います。

つまり浴衣を着物風に着るとは
本来襦袢を着ないで着る浴衣の下に
襦袢を着て半衿を出した状態で着るということです。

この浴衣を着物風に着るというものは
暑いけどまだ浴衣1枚で着るには夜が肌寒い・・・とか
単衣は持ってないけど初夏や初秋に着物着たいなぁ・・・とか
浴衣をちょっとキリっとした印象で着たいなぁ・・・
なんて時にも便利です。

特に沢山着物を持っていない初心者キモノスキーならば
単衣を持っていなくても着物を着ることができる☆という点で
この浴衣を着物風に着るというのは重宝します。

 

まとめ

私が初心者キモノスキーの頃に聞いて「?!」と思ったのは

・浴衣を着ていいのは7月8月だけ?
 →自分の体感温度を大事にすればいつ着てもOK
・浴衣は家の中だけで着るもの?
 →現在の浴衣はお洒落着として発展しているので外出OK
・浴衣の時は半幅帯しかダメ?
 →素材感に気を付ければ名古屋帯だってOK(もちろん兵児帯も)
・浴衣を着物風に着るって何??
 →衿付きの状態で浴衣を着るということ

暑くなったら浴衣が楽しいシーズンです。

今年もお祭りは開催しないところが多いとは思いますが
お祭りがなくたって可愛い浴衣着てルンルンするのは楽しいです☆

気軽に始められる着物ライフの1歩目にお勧めの浴衣、
是非楽しんでいきましょ☆

では、また次回。
じゃぃねー。

 

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