普段着物に季節の植物の知識は絶対必要ですか?

雑談

ごきげんよう、椎名さん。です。

本日は「普段着物に季節の植物の知識は絶対必要ですか?」のお話です。

沢山ある着物の決まりごとの中には
季節の決まりごとも多々あります。

有名なところでは
7~8月は夏着物
6月・9月は単衣
10月~5月は袷
というものがありますが、
本日のお話は「植物柄」のお話です。

→関連記事「単衣着物の事情「秋らしいコーデ・初夏らしいコーデ」」

植物を描いた柄のルール知ってる?


(よく見たら枝付きの桜模様だったことに着てから気付いた日・・・)

着物に描かれる、花をはじめとする植物柄には
結構細かく決まりごとがあるとされています。

その植物の最盛期ではなく
少し前の季節にまとうべき、とか
中でも枝付きはの模様については
適したシーズン以外着てはならない、とかとか・・・

季節を楽しむことが得意な着物ですから
春を待つ頃に春の花を纏う・・・
とか素敵じゃないですか☆

うわー!マネしたい!!
と思った初心者キモノスキーのころの私は
はたと気付いたのです。

私、全然植物に詳しくない・・・。

季節を愛でること自体には憧れがあるものの
いかんせん知らないんですよ。。。

しかも過去覚えたいなと思った時期もあるのに
ちっとも記憶に残っていない・・・。
残念ながら多分、苦手なんだと思います。

えー、じゃぁ植物柄は避けなきゃダメなの?
と思った初心者キモノスキーのころの私は
かなりビビっていました。

新しい帯や着物を買おう!と思った時も
「着るシーズンが限られる植物柄は避けて
無地や幾何学模様を中心に探そう」
と思っていましたし

「梅くらいならさすがに分かる・・・!」
というような確実なものにしか手を出せないと思っていました。

多分、似たような方いらっしゃると思います。



気にしなくなった理由


(浴衣はユリだけど、帯は架空の花らしい)

今はあまり細かくは気にしていません。
桜や梅など分かりやすい模様については
私でも分かりますし
季節を楽しむこと自体は楽しいので
そのシーズンに着たりもします。

でも
「この植物なんだろう?」
と思うような知らない柄をいちいち調べて
「このシーズンしか着ちゃだめだ!」
と苦しくなるようなことはしません。

これには、ふたつきっかけがありました。

 

ベテランキモノスキーの言葉

ひとつめのきっかけはベテランキモノスキーの言葉です。

ある時私はとってもかわいい紫陽花柄の浴衣を見かけました。

でも、紫陽花が咲くシーズンは浴衣シーズンには少し早い時期なんですよね。

更に着物ルールに乗っ取って着るならば
紫陽花シーズンの少し前に着るのが正解ということになります。

浴衣を着るにはさすがに肌寒くない・・・?
紫陽花の浴衣、いつ着ればいいの・・・?
と思った私はそれをSNSで聞いてみたんですよね。

その時のベテランキモノスキーからの返信が
「秋に咲く種類の紫陽花もありますから大丈夫。
そもそも普段着なんだからそんな何でもかんでも気にしなくていいよ」
というものでした。

ベテランキモノスキーの
「気にしなくていい」
という言葉は心強く、更に
「品種によって咲く時期が違う」
という話にはハッとしました。

バラや蘭、菊科の花も
長くいろんな種類のものが咲きます。

明らかに品種まで特定できるような描き方の花もありますが
着物に描かれている物は
「この品種にも見えるけど
こっちの品種にも見えるよね」
というようなモチーフで描かれたものも多くあります。

これを知ってから
私はあまりナーバスに気にしないようになりました。

全部わかっている人は多分少ない

もうひとつのエピソードは
紫陽花柄浴衣の話の前の年の秋のことです。

リサイクルお迎えした着物の写真を呉服屋さんの店員さんに見せて
「これは秋の植物が描かれていますね」
と言われたものがありました。

その時は11月だったので
来年の秋まで着られないのかー・・・。
と思った私は次の秋まで約1年寝かせていました。

その約1年後、満を持してその着物を着ていたら
「いろんな植物が描いてあるね!
季節を問わず着られていいねー」
と植物に詳しい人に声をかけられたことがあります。

えぇ?!秋のものだって言われてたから
1年近くも寝かせてたのに?!
と衝撃を受けました。

植物に詳しいかの人は
「これは春の花も描かれてるねー。
でも僕も植物全部分かるわけじゃないよ。
モチーフだったりすると更に分かりにくいし」
と言っていました。

なるほど・・・その道のプロだからと言って
絶対に正しいわけではないんだな。

とその時学びました。
この二つの経験からさほど厳密でなくてもいいのでは?
と思うようになりました。

 

でも気になるんだよねーって場合は


(色んな種類が描かれているとシーズンは分からない・・・)

とはいえやっぱり植物は詳しくないし
間違ったのを着るのは怖いよ・・・。
という場合は
いろんな種類の植物が描かれている着物を選ぶ
というのが簡単でお勧めです。

テッポウユリだけ!
梅だけ!
紅葉だけ!
という柄ももちろんたくさんありますが
上記で出てきたように
いろんな種類の植物が描かれた着物も沢山存在しています。

その場合、いろんな季節の花や実が描かれていることが多く
長いシーズン着られるものが多いのです。

もちろん描かれている物がぜーんぶ秋の花!
ということもないわけではないのですが、
それでも1種類しか描かれていない場合より長く着られますし、
沢山の種類が描かれているということは
分かる植物が描かれている可能性も上がるので
少なくとも判断はしやすくなります。

 

その後の進化・・・?

そんな感じで改めて植物をしっかり勉強するわけでもなく
こだわり少な目な普段着物ライフを送っているわけですが
ある日気付いたことがあります。

それは着物を着始めて2年目の春のことです。
バスに乗ってぼんやり外を眺めていた時に
「あー、モクレンがきれいに咲いているなぁ。
週末は桜の着物着たいなぁ・・」
と自然に思ってハッとしました。

まず、私はその前の年まで「モクレン」を知りませんでした。

正確に言うと名前は知っているし、
その花も見たことがあるのに
名前と見た目が繋がっていなかったのです。

でもその日、私は
そこに咲いているのがモクレンであるということを認識して
それが咲いているということは
そろそろ桜が咲くから今桜の着物を着よう。
と自然に思っていたのです。

多分、着物に興味を持っていなければ
一生モクレンは
「綺麗で好きな花(でも名前は知らない)」
という域を抜けることはなかっただろうなと思います。

これは殊更に植物の勉強をしたわけではなく
人の着物を眺めたり
人のお話を聞いたり
着物に関する本をちょこちょこ読んでいたからこそだと思います。

興味を持って眺めてるだけで分かるようになることもあるんだなぁ・・・
と思いました。

 

今の私のスタンス


(何の花かは分からないけど、綺麗なのは分かる!)

それを踏まえて、現在の私のスタンスは
気にするのを楽しめるレベルのものなら気にするし、
それに追いつめられるくらいなら気にしない。
というもの。

紅葉の時期は母親のおさがりの紅葉柄の帯を締めますし
干支が描かれた帯は年末年始に期間限定!とばかりに使います。

それはちっとも苦しいものではなく、むしろ
今年もこの帯を締める季節が来たなー
なんてウキウキできて
結構季節を楽しめているのでは?
と感じます。

今なら
この後やってくる春に似合いそうな
明るい色合いのものを着ることや
その先の夏に控えているさわやかな色の夏着物を楽しみにもしています。

いまだに分からないことは(植物に限らず)たくさんあります。

でもこれからも少しずつ
気付かないくらいのペースで
私の身になっていくんだなぁ。
楽しみだなぁ。
と思っています。

何よりも楽しく。
気楽に。

自分を雁字搦めにせず
着物ライフを過ごせたらいいなと思っています。

→関連記事着物警察撃退法?!~私はこうしてきました~」

では、また次回。
じゃぃねー。

 

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