こなれた着物姿になりたい!?その定義とこなれるために必要なこと

雑談

ごきげんよう、普段着キモノスキーの椎名さん。です。

本日は「こなれた着物姿になりたい!?その定義とこなれるために必要なこと」のお話です。

こなれたい!!!

着物を始めたばかりの初心者キモノスキーの頃
「私の着姿は着物を着ているっていうより着物に着られているような感じがする
 もっとこなれた着姿になりたいなぁ・・・どうやったらなれるんだろう」
と思っていました。

雑誌や着付の教本などで見る着姿が美しいのは
「プロが写真のために作り込んだ着姿」なのでともかくとして
時折街で見かける着物姿の方も
SNSで見かける普段着キモノスキーも
着付が美しいというのとはまた別に
私とは違って「しっくりきている」ように感じるのです。
この違いはなんなんだろう・・・?

必ずしも早くこなれた着姿になることこそが正解!とは今の私は思いません。
けれど過去の私のように

早くこなれた着姿になりたいなぁ・・・
どうすればこなれた着姿になるんだろう・・・
そもそもこなれてるってどういう状態なんだろう・・・

という方に本日は私の思う「こなれて見える理由」と
それに必要な方法と時間のお話です。

少しでも参考になれば幸いです。

こなれているってどういう状態なの?


(昔に比べればこなれてきたと思います)

こなれた着姿になりたいなぁ・・・と思っていた初心者キモノスキーの頃から数年。
現在の私はこなれているのか?と問われれば
まぁ・・前よりはこなれているのではないかしら?という感じです。

ひとそれぞれ定義は違うでしょうから
全方位に向かって
自信を持って「今はこなれているわよ!」とは思えませんが(笑)
初心者キモノスキーの頃から私の着姿を見ている友人・知人からは
「しっくりとくる着姿」と言われるようになってきたので多分こなれてきているのでしょう。

人によってこの「こなれる」の基準は違うので
ここでは私にとっての「こなれている」の定義のお話をします。
この定義は「自分がどんな着姿を目指しているか?」の指標だったりもするので
ご自身はどういうことを「こなれる」と感じるのか考えてみてください。

私にとってそれはざっくり言うと「着慣れている感じがある」ということでした。

初心者キモノスキーの頃の着姿を今見返すと
衣装に着られているというか馴染んでいない・・・という感じがあります。

着付が上手とか変なシワがないとかそういうこともゼロではありませんが
所作や歩き方も含め「着物を着ていること」に慣れてくると
落ち感のようなものが出てきて
「着物と仲良し」になっていくように感じます。

これが、私にとっての「こなれている」でした。

つまり私は
着物姿がもっとしっくりくればいいのに!!
もっと着物と仲良くなりたいのに!!
と思っていたということです。

→参考記事「「なんで」「どんなシーンで」着物を着たいのか?が分かるといいぞ☆」

「こなれる」を支えているもの

ではその着慣れているしっくりとくる落ち感みたいなものはどうして生まれているんだろう?
と考えてみるとそれを支えているのはこんな感じのことだったように思います。




「マイスタイル」で着ている

「着物を着る」とひとくちに言っても意外にスタイルは様々です。
結婚式や式典に着て行くフォーマルなもの、
お茶会に着ていくような着付、
洋MIXコーデ、
大正ロマンなアンティーク勢に
綿やウールなどいわゆる「太物」と呼ばれる普段着スタイル・・・
お好みとシーンに合わせて色んなスタイルを楽しむことができます。

コーディネートだけでなく着付けを取っても
皺ひとつないビシッとした着姿が好きだから補正もがっつり!という人も
身体の曲線を拾う程度のゆるやかな着付が好きだから帯板は使わない、
という人もいます。

誰かが言っている「正解」ではなく
「自分の好き」を実現している人は
やっぱりこなれているように感じます。

そしてこの「自分の好き」を実現している人は
新しいこと(例えばそれまで着ていなかったジャンルなど)をしても
何だか「その人っぽい」としっくりくるのです。

それはまるでお料理上手な人が作ると
初めて作ったはずのメニューもその人らしい塩梅で美味しく仕上がる☆
みたいな感じです。

多分それはお料理と同じで
「自分にとって心地いい匙加減」が分かっているから。
なのではないかと思います。

この「自分にとって心地いい匙加減」が分かっているというのは
「こなれた着姿」のために必要な大きな要素のひとつなのではないかと思います。

→参考記事「あなたの好みはどんな感じ?普段着物のジャンル」

 

着付にかかる時間


(この時の所要時間は大体10分かからないくらい)

こなれている人の着付の所要時間は何分くらいなのか?!
私はまだまだ時間がかかるからもっと短縮したい!
30分は時間かかりすぎ?!
何分なら「短い」って言えるの?!
着付時間はきっと短い方が上級者に決まってる!
と思っていた頃がありました。

でも今はあまりそうは思いません。
大事なのは「予想通りの時間で仕上げられる」ということかな、と考えています。

いつもと同じ帯結びでマイサイズの着物を着る時と
はじめての帯結びにチャレンジするときは所要時間ももちろん違います。

初心者キモノスキーの頃の私は
どれくらい時間がかかるか読めずに
出かけるまでの時間がすっごく余ってしまった・・・ということも
思ったより時間がかかりすぎて新しい帯結びのチャレンジを諦めたのに遅刻ギリギリ!!
なんてこともありました。

でも、現在の私は大体「これくらいの時間で仕上げられるかなー」
と予想してそれに収まるように時間を取って朝の準備をして、
それは大きく外れたりはしません。

これは着物に身体を馴染ませるための自分なりの手順があるから可能なことです。
それなりの回数試行錯誤をしながら着付してきたからかと思います。

楽譜を見なくても楽器を演奏できるように
自分の身体に着物を着る手順が入っているということも
「こなれた着姿」を支えるひとつかと思います。

所作が自然

こなれて見えるために必要なのは
衿元が決まってるいことか?!
衣紋の抜け加減か?
お上品に見える歩き方か?!
と思っていたことがありますが
そのどれも正解であって不正解だったように思います。

こなれて見える、着慣れている人を観察してみると
ご飯を食べに行った先でお醤油を取る時にスッと袖をよける仕草、
「着物だから」と周りに気を使わせることのない自然な振る舞い、
風呂敷や扇子を取り出すタイミング・・・
どれも自然に感じるのです。

多分それは着物でいることがその人にとって生活の一部として馴染んでいて
殊更に強く意識せずとも「着物のための所作」ができるから。

これは着ている回数や時間がものをいうのだと思います。

→参考記事「初心者キモノスキーにおススメ!「お着物一年生 山口さくらさん著」レビュー」


(所作についても言及されている書籍)

着付けそのものの出来について

いやいや、そうは言ってもやっぱり着付にも差はあるんじゃないの?!
と思って観察して思うことは
「着物にあるシワは着付けの途中で寄ったシワでなく
着た後に動いて付いたシワである」というように感じます。

多分、これが私が唯一着付について「こなれ感」が出るポイントだと思っていることです。

先に述べたように
「着物を体になじませる手順」のようなものが自分のものになっていれば
着付の過程で無駄な皺が寄ることは減ります。
それは一度決めた場所をやり直すような動きがなくなるからです。

けれど、着て時間が経てば
歩くし、カバンを持つし、下を向くし・・・と
生活に伴ってたるみやシワは出てくるものです。

凹凸のある体に平面の布を纏わせるのだから
シワができるのは当然なのですが
そのシワの出来方にこなれている人とそうでない人には違いがあるのです。

初心者キモノスキーの頃の私は
着付をしている過程でシワができていたように思います。

けれど、今は着て暫くすると
腕を伸ばしたり、階段を登ったりしてたるみが出てきている・・・
というようなシワの寄り方をします。

しわやたるみの場所や具合が違うのです。

しわやたるみは「着崩れ」と呼ばれて嫌われたりもしますが、
隙のない皺ひとつない着付よりも
適度に動きのある着姿の方が「落ち感」があるように私は感じます。
(あくまで私の好みです)

お手洗いに立った時などこまめに直して
取り返しがつかない程着崩れたりしないようにはしますが
ある程度のしわやたるみは
「それも素敵な着姿」と私は感じています。

けれど着付の過程でできてしまうシワは
なんだか太って見えたりしてあまり素敵には見えなかったりします。
同じ皺なのに不思議だなぁと思います。

→参考記事「着物に補正は必要ですか?補正のメリットデメリットと判断基準」


(樹木希林さんの着姿はそのシワも素敵・・・)

それはどうやって実現できるもの?

ここでは、上で述べた

・「マイスタイル」で着ている
・着付の時間が予想時間に収まる
・所作が自然
・シワは着付の時でなく行動の過程でできたものである

を実現するために何が必要なのか?
のお話をします。

実体験をベースにお話ししますが、
これについては実はそんなに難しいことでもありません。

着たい時に着てみる


(なんてことないお買い物の日だって着物日和)

ひとつめは
着物着たいなぁ・・・って思った時に着てみる。
というもの。

それはお友だちとのお出かけかも知れませんし、
近所のスーパーへの買い物かも知れませんし、
そっと家で着てみる☆ということかもしれません。

どんな場所、どんなシーンでも構いません。
自分が「着たいな」と思った時に着てみるのです☆

自分が着たいと思ったタイミングで着るとテンションは上がるし、
鏡に映る自分を見かける度に
「着物を着ている自分」が見慣れてきます。

お外に出かければ注目を浴びることもありますが、
それも回数を重ねると人からの視線にも鈍感になっていきます(笑)
(これは本当に実体験で、
「最近は着物だからって注目されること減った気がする」と言ったら
いつも一緒にいる夫の人に
「今も注目浴びてることあるけど気付いてないだけだよ?!」と言われました(笑))

着たい時に着ていると着る回数も重なって
裾や袖に気を付ける所作は身に付くし着物と仲良しにもなれます。

「着たい気持ち」を叶えることと
着ている自分に見慣れることは
「着物を着ていること」を日常のことにしてくれて
どんどんこなれていくのです。

→参考記事「【初心者向】着物でどこ行く?おすすめスポット3選!(全国で行けそう編)」

試行錯誤してみる


(なんのポーズなの・・・?写り方も下手だったなぁ)

着付も所作もコーデも・・・
最初から「大正解!」だけを渡り歩くことは難しいです。

今、バリバリに着物的インフルエンサーをやられている方も
最初からあか抜けていたわけではない!と言っていたりしますし、
知り合いの中にも黒い帯揚が欲しい!と使っていたのは
今思い返せば喪服だった・・・みたいなお話も聞きます。

私自身の失敗で言えば
上に出した写真のように大島紬に随分キラキラした帯を合わせてしまって
今思い返すとちぐはぐだなぁ。。。といこともありました。
(でもその時はこれが素敵だと思っていたの・・・)

着付のことについては
思ったように衣紋が抜けない!(キープできない!)と思えば
お手洗いに立つたびに襦袢を背中側から引っ張ってみよう。としてみたり、
右袖だけ襦袢が出てくる・・・と悩めば
背中心の位置を気にして着付してみたり、
すごい太って見える。。。着やせしたい!!と思えば
なるべくシワが寄らないように帯をしごきながら着付けてみたり・・・
試行錯誤しました。

ものすごくキッチリノートに取って勉強したりせずとも
「今回はここが上手くいったなー。
 次回はここを意識してみよう」
と考えながら着付します。

そして私の場合はそのあたりとっても忘れっぽいので
前回の手癖を忘れる前に・・・と
できるかぎりコンスタントに着るようにしていました。
(だからこそ「着たいと思った時に着る」のが大事だと思うのです)

こなれるためにすることはこのふたつだけです。
でもそれこそが大事だと私は実感しています。

→参考記事「長襦袢だけじゃない!普段着物の下に着るものアレコレ」

 

どれくらいの期間がかかるか?

こなれるまでどれくらいの期間がかかるか?
これ、気になりませんか?

私は気になったので、過去SNSで聞いたことがあります。
これはある程度の正解があると思って聞いたのですが、返ってきた答えはバラバラで
正解なんてないのかも・・・?と思えました。

ベテランキモノスキーからの答えは
「50回くらい着たら」
「毎日着るようになって大体1年くらいでした」
「4~5年くらい?」
と単位も回数も様々でした。

これは着る頻度にも寄ると思います。
毎日着物を着るなら1年で365回着ることになりますが
月に1回なら12回ですからそりゃぁこなれるスピードも違います。

私の場合は週2回くらい着て1年を過ぎたあたりから
「着物は私の日常の中に馴染んでいる」と思えるようになりました。
この理由は季節が一巡したのもあるかもしれません。
前の季節の記憶があるので対応力も身についているんですよね。

そしてこの辺りから
「着物似合うね」
と言ってもらえる頻度がグッと上がったような気がします。

「こなれる」の定義も人それぞれですから
かかる時間や自分が納得するまでの過程もクリアポイントも人それぞれです。

こなれるまでにかかる時間は
あんまり基準はないのかなぁ・・・
と言うのが今の私の思うところです。

まとめ

こなれた着姿になりたい!と思う
初心者キモノスキーの頃の私が思う「こなれた着物姿」とは
「着慣れている感じがある」ということでした。

こなれた着姿の実現を支えていたのは

・「マイスタイル」で着ていること
・着付けの時間が予定通りであること
・所作が自然であること
・着物に寄るシワは着付の時でなく着た後に行動してできたものである

でした。

それを実現するために必要なのは

・着たい時に着てみる
・試行錯誤してみる

ということです。

こなれるのにかかった!と思う時間は
ベテランキモノスキーの中でも差があります。

そりゃぁ沢山着たりいろんな場所に出かけて色んな事をすれば
馴染むシーンは増えるかもしれません。

でも通常の生活を送りつつ着物を着るなら
中々思うように着れないということもあると思います。
そこは無理せず、楽しめる範囲で馴染んで行けばいいと思うのです。
着物は逃げませんから☆

自分の心地よい頻度とタイミングで着ていけば
「着物を着る」ということが段々「特別なこと」ではなくなってきます。
そうなってきたらもうこなれているはずです☆

無理なく楽しくご自身の心地いい着姿の実現できますように☆

では、また次回。
じゃぃねー。

 

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