着物警察は他人事じゃない?!自分が着物自警団にならないために気を付けていること

雑談

ごきげんよう、椎名さん。です。

本日は「着物警察は他人事じゃない?!自分が着物自警団にならないために気を付けていること」のお話です。

私自身を疑う

「着物警察」と聞くと
やだー、怖い!
捕まりたくないなぁ、かかわりたくないなぁ。
私の着付は文句付けられないかしら。
怖くなる初心者キモノスキー、多いと思います。

そしてその存在について
好きに着させてくれればいいのに。
なんでそんな嫌なこと言うんだろう。
せっかく着物を着ている人にケチつけなくていいのに。
憤慨する中堅~ベテランキモノスキーも多いと思います。

私もそう思います。
でも、その上で思います。
私自身が着物自警団になってないかな?
と。

私自身は自由に着物を着ているつもりですし、
他の人が着ている着物についても
「あんな着方しちゃってやぁね」
なんて口にしたりしません。

でも、そんなに直接的でなくても
「常識的には違うわよ」
という気持ち、どこかにないかな?と鑑みてしまうのです。

本日は私がそう思う理由と
私自身が着物自警団にならないために心がけていることのお話をします。

着物警察ってなに?

そもそも着物警察って何?
という方のために解説を載せさせていただきます。

ざっくり言うと着物を着ている人に対して
「こんな柄、こんな季節に着ちゃダメじゃない」とか、
「こんなに着崩しちゃって」とか口に出して言ってくる人たちのこと。
酷いと無断で手を出して着物を触ったり、
帯をほどいて結びなおそうとする人もいるとか。。。

個人的にはこの「着物警察」という呼び名は微妙だなと思っていて。
「着物自警団」という呼び名のほうがしっくりくるんですが。。。

警察
警察(けいさつ、仏: Police, 独: Polizei)とは、
軍隊と並ぶ国家の実力組織であり、
権力行使を以て国家の治安を維持する行政作用及びその主体をいい、
社会の安全や秩序を守る責任を課された行政機関である。
自警団(じけいだん、英: Vigilante)とは、
権利の侵害が強く想定される場などにおいて、
司法手続によらず自らの実力行使をもって
自己および共同体の権利を維持確保するために結成される組織(私設軍隊・民兵)、
およびそれを模した防犯組織。

Wikipediaで調べた警察と自警団。

何となく自警団の方がしっくりくる。。。と思っています。
というわけでこのブログでは今後着物自警団と呼ぶことにします。

→関連記事「着物警察撃退法?!~私はこうしてきました~」

いやいや、私はそんなふうにはならないよ。
私自身が自由に楽しんでいるし、
他人も自由に着たらいいじゃない☆と思ってるよ?
という方が大半だと思いますが、
私は過去の経験から私自身も着物自警団になる可能性があると自分を戒めています

過去の経験と気を付けていること

人に指摘されたコーディネート

ずいぶんと過去のことですが、ある日着物でおでかけした時に
私よりもずっと着物歴の長い方とお会いしました。

今もその頃も私は決して着付が上手ではありませんが
コーディネートについては
「その日最高にかわいいと思っているもの」を選んで着ています☆

その方は私の拙い着付を褒めてくれた後に言いました
「でも帯はこういうのじゃなくて
もっと●●な方が着物を引き立ててくれて素敵よ」
と。

きっとその通りなのでしょうし
親切心から教えてくれたのだと思います。

でも初心者キモノスキーだった私は過敏に反応しました。
私の手持ちの中でこれが最高に可愛いと思って選んだのに!
普段着なんだから好きに着させてくれたらいいのに!!
と思ったんですよね。

着物を着ていてお洋服と違うな・・・
と思うところは
「なぜかアドバイスした人が正しい感じがしてしまう」
というところ。

お洋服なら
「こっちが正解よ」
とアドバイスされても
「いや、知らんよ。私はこれが好きなんだよ」
と思うことができるのに、着物だと
「私が間違っているの・・・?」
という思考に陥りがちなように思います。

これは多分着物を着ている人口が少なく
着物を着ている人はそれを仕事にしている人が多いのも要因ではないかと思います。

だからこそ
人のファッションに口を出す
というお洋服ならただの失礼じゃん?
と思うようなことがまかり通ってしまうのではないかと思います。

基本的には親切心であると思います。
けれどそれが必ずしも求められているとは限りません。

着物をたくさん着る人こそ
親切心で教えてあげたくなっちゃうんだな・・・
というのも分かるのです。
たくさん着るようになった今だからこそ私の気を付けなればならないポイントだと思います。

私は現在ブログを書いているので
先日の「若い子だけの物じゃないよ☆大人袴の選び方とコーディネート
のようにコーディネートのコツを書いたりしていますが、
あくまで私の感覚であり、それは絶対の正解ではない。
といつも思っています。

正解はないけれど好みはありますからね。

私の提案を見て
「いいじゃーん★」
と思っていただければ採用していただいて
「好きじゃないなぁ」
と思えば違うものを採用すればよいのです。

親切心からのおせっかいは生まれがちだな。。。
とコーディネートにアドバイスされた経験から学んだので
押しつけがましくならないよう
気を付けていきたいと思っています。

私は基本的に褒める以外はしない!
(求められた時には正直な気持ちを言うけれど)
と決めています。


(めっちゃ褒めていただいたコーデ。着慣れてきてもコーデを褒められるのは嬉しい!)

他人の着付が気になった経験

こちらも随分前のことです。

着物を着れるようになりたいなと思って
着付がちょっとずつできるようになった頃の話です。

ある日都内を歩いていたら
私よりぐっと若い女性のグループが
着物を着て歩いていました。

タートルネックを合わせている人も
ブーツを履いている人もいて
みんな自分で着ているのが分かる方たちでした。

それを見た私は思いました
襟足からアンダーウェアが見えてるのが気になるな。
帯の結び方がだらりとしているのが気になるな。
おはしょりがダブついているの気になるな・・・。
自分だってきれいに着れないのに気になったのです。

そしてそこから約1年経過して気づきました。
他人の着付が気にならない。
ということに。

自分がしょっちゅう着るようになったら
なぜかちっとも人のアラが気にならなくなったのですよね。
不思議と。

純粋に
わぁ、着物着てる!かわいい!
と、それしか見なくなったのです。

この経験から
他人のアラが気になるのは自分に自信がないからでは?」
と思うようになりました。

自分に自信がないからこそ
他人のアラをみつけては
「私だけじゃないわ」
と安心したり
「私の方がマシだわ」
と内心マウントを取っていたんだと思います。

もし、他人のアラが気になるときがあったら
「私は一体自分のなにが足りなくてそれが気になっているの?」
と自分に問いかけるようにしています。

そもそもそれは「アラ」ではなく
わざとそうしている可能性もありますしね☆

お葬式のマスクルール

もうひとつは昨年のコロナ騒動の中でマナー講師の人が言っていたことです。
お葬式のマスクは黒にするのがマナーです」
と。

えー・・・なにそれ、聞いたことないよ。
と思いましたが、ここでふと思い出しました。

そもそも喪服だって明治になるまで白装束で
西洋文化が入ってくるとともに黒い喪服になったんだよな。(出典:知っておきたい葬儀の知識
つまり今「常識だと思っていること」も
誰かがある日勝手に作ったルールに過ぎず
たまたま受け入れられただけという可能性あるのでは・・・?と。

「これがルールです!」
と大きな声で言われると、
「従うのが正解!」となりがちですが
冷静になってみると
「それ、不合理だし不必要なのでは・・・?」
と思うことは着物の話だけでなくよく見かける話だと思います。

この新しいマスクの常識(?)の話を受けて
決まりとされていることも、もしかしたら不要なものもあるのでは?
と思うようになりました。

特に着物に付いてのルールは
憲法でもないですし基本的には不文律です。

何と言っても現在の着物のルールとされていることのほとんどは
戦後できたものなので、
ルールというより「今はそういうのがブーム」というくらいのなのですよね。

このルールは必要だ!と私が思ったとしても
他の誰かはそれは不要だなと思っていることは多々あるでしょうし、
何故そうしているのか、を話し合うこともなく
「これがルールなのよ!」
と押し付けることはしないでおこうと思いました。

 

 

私のふるまい方

褒める以外はしない!

(いつも誉めあえる友人は大事☆)

→関連記事「着物友だちがいない人への着物仲間の作り方講座」

それ素敵ね!!
というのは口に出してどんどん言います☆
でもネガティブな言葉は人に対して言わないように心がけています。

もし、人に
「どう思う?」
と聞かれたら正直に感想を伝えますが
「ふつうは●●なのよ」
というような言葉は使わずに伝えたいなと思っています。

繰り返しになりますが
着物で決められているとされているルールは
「ただのブーム」なので。。。

難しいのは・・・

難しいのは本当に着崩れて見えるとき。

私なら声をかけて欲しいと思うけれど、
みんなが私と同じとは限らないのですよね。

でも実際「声をかけてもらってありがたかった」
というお話もよく聞きます。

今のところ大々的に崩れていて
どうしても声をかけたい!!
と思うような方には遭遇したことはありませんが、
もしそういう方に遭遇した際は・・・。
と心に決めていることはあります。

話しかけるときの声のトーンには
善意と悪意(マウンティングも)は現れると思っています。

例えば「素敵ですね」と声をかけても
それが本心なのか嫌味なのか、
なんとなく受けた方には伝わるものですよね。

なので私は
100%の善意なら声をかけよう!
ほんのちょぴっとでもマウンティングな気持があるなら
黙ってろ!自分!!
と思っています。

そういう小さな制御が
「着物怖そう・・・」
という印象を消すと信じています。

おわりに


(楽しくなければこんなに着ない)

着物は怖くない。
可愛く楽しいものです。

着たいなーと思っている人のハードルを
ぐんぐん下げていきたいし
未来にも着物が残ってくれていたらいいなぁと私は思っています。
(あくまでも「着たい」と思っている人についてです。
興味がない人に押し付ける気はさらさらありません)

そのために私は今日も楽しそうに着物を着て
自分を戒めて振る舞いを決めます。

そんな大層なことは考えていないけれど
私自身が着物のハードルにならないよう
気を付けていたいのです。

では、また次回。
じゃぃねー。

 

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