着物が私に与えたものと、このブログを始めた理由

雑談

ごきげんよう、椎名さん。です。
本日は「着物が私に与えたものと、このブログを始めた理由」のお話です。

いつもとはちょっと違って本日は盛大な自分語りです(笑)
ご興味がある方はこのブログを立ち上げようと思った心の成り行きをちょっと読んでってください。

着物をはじめる前の私はこんな感じ


(子供の頃のワタクシ(笑))

私はずーっとお洒落とは呼べない人生を送ってきました。
今も決して自分のことをお洒落とは思えない。
それなのにお洒落ジャンルともいえる「着物」を気軽に楽しもうよ☆と発信している。

なんでやねん。
ちぐはぐじゃん!
って話なんですけどね(笑)

いや、でもお洒落ではなかったけれど
お洒落が嫌いだったわけではないの。

バリっと決まったアイラインも
ミュージカルアニーのようなくるくるパーマヘアも
物語のように美しい刺しゅうのワンピースも
可愛いな、大好きだなって思っていた。

でも手を出さなかった。

だって不器用だから上手くアイラインは引けないし、
髪の毛は超ストレートだからあんなにくるくるにならないし、
刺しゅうのワンピースは高いし。。。

そう自分を宥めていたけれど、本当は知っていたんですよ。

自信がないからだってことくらい。

私はそこそこの田舎出身です。
どれくらい田舎かと言うと
前髪を切った翌日には2軒隣のおばちゃんに
「髪切って別嬪さんになって!」
と声をかけられるくらい(笑)

ただの挨拶なんですけどね。
思春期の私は嫌だったの。
小さな変化も見逃してくれないその感じが。

前髪を切ったくらいでも気付く世界では
おニューのお洋服にも気づかれます。

子どもの頃から知っている大人たちは
流行のワンピースを着た私を見て
「彼氏ができて色気づいちゃってー」
なんてからかってきます。

悪気はないんですよ、きっと。
ほほえましいのよね。
大人になった今だからその気持ちも分かってきたんですよ。

でも。
私は怖かったの。

好きな格好をしたらどんな批判を受けるか分からないじゃない?
好きなことを批判されたら嫌だからやらないでおこう。
って思ってた。

批判を跳ねのけられるくらい自信があったらやっていたんだと思う。
でもなかったんですよ。
自分のセンスにも容姿にも好きっていう気持ちにも。

だから洋服も髪型もお化粧も
ダサくならない程度に「無難」を目指していました。

そういう経緯があるからこそ
着物を着てみたい。
でも目立つのが嫌なんだっていう気持ち。
結構分かる。

好き。
でも何を言われるか。。。

そう不安になって無難を選ぶか、逆に

誰にも理解されなくても好きにやるわ!

と粋がっていたか。
あの頃の私にはそれくらいしか選択肢がなかったように思うのです。

「気にしなきゃいいのよ」って言うのも
「それくらいの批判気にする程度ならやらなくていい」って言うのも簡単だけど、
でも越えてみたい気持ち、あったんですよね。
そしてそこを超えるのは結構なハードルでした。

どうやってそのハードルを越えたのか


(初期の衿の詰まった着付の頃)

今の私は多分、その心のハードルは越えられたように思います。

その理由は
「好きな着物を着るようになったから」
だと思っています。

なんというか、自信ができたから着物に手を出したんじゃなくて
好きな着物を着るようになったから
後付けで自信ができてきた。という感じ。

私にとって着物はいつか着たいなーと思うものの
手を出さないでいることの一つでした。

着付難しそうだし、
高そうだし、
普段着物が流行ってるって言っても
私みたいなもんが手を出しても。。。

と卑屈に構えていました。

着物を着るようになったのはちょっとしたキッカケ。
そのキッカケが目の前に来た時何故か
「この流れを掴まないと私は一生着物を着ない気がする」
と感じたんですよね。

だからふと、手を伸ばしました。

当然最初から着付が上手くできるわけもなく
詰まった衿とバサバサの裾でお出かけしていました。

人からの視線は気になったけれど
背筋を伸ばそうと意識して。

何故なら
「私は最高に可愛い着物を着ているから」

毎週のように着物を着て
そのたびにトライアンドエラーを繰り返して
少しずつ見られる着付になってきた頃、気付いたんですよ。

人の視線を気にしなくなっている。

ということに。

隣を歩く夫の人曰く
「今もよく注目されてるよ?」
とのことなんですが、私は結構気付かない(笑)

見られることに慣れてきたし、
見られたところで
「そりゃぁこんなに可愛い着物を着ていれば見たくなるよね!」
という気持ち。

昔の私ならありえなかった心境です。

「人の視線なんて気にしなければいいんだよ」
と最初から本気で言える人は
きっと「好き」に対する自信があるんだと思う。

でも私みたいな人は
手を出してみて、繰り返してみて、自分のテンションが上がって
そうしているうちに後付けで自信のようなものができてくるのかもしれない。

そしてその生まれた自身のようなものは
別の新しいことへチャレンジするハードルも下げてくれる

新しいチャレンジは今よりほんの少しだけ色づいた世界を見せてくれて
今よりほんの少しだけ自分を認めさせてくれる。

「自分の好きなものを自分の意志でひとつ選ぶ」
ってそれくらいパワーがあることだと思う。

それは私がここ数年で実感していることです。

でも最初の一歩にはハードルがあることも分かる。
本やネットで調べて分かったつもりでいても
自分が「やってみる」のとは全然違う。

このブログで伝えたいこと


(現在のワタクシ。着物は母親のお下がり)

それでも私は「自分の好きなものをひとつ選ぶ」ということを勧めたい。

選ぶ最初の「好き」は何も着物じゃなくたってもちろんいい。

ただ、もし「好きなのにチャレンジできていないこと」のなかに
着物があるのならば私も背中を押せるかなと思った。

やってみたいな。
でもな・・・。

と思っているその「でも」に
「結構大丈夫よ?」
と言いたかった。

きっとどこかにいるであろう
「あの頃の私」に届いたらいいなと思っている。

本屋さんにもネットの中にもたくさん情報はある。

けれどこと着物のこととなると
「着付」や「格」の話になりがち。

あの頃の私はそうじゃない情報が欲しかった。
本当に普段着ている人に「?」を聞いてみたかった。

だからこのブログを始めたんですよね。

私は権威あるスタイリストさんでもなければ
百戦錬磨の着付師さんでもないし
可愛い小物を生み出せる作家さんでもなければ
呉服屋さんで働いたこともない。

でも。
だからこそやってみようと思ったんですよね。

私は私みたいな人に
「実際のところ、どう?」
って聞いてみたかったから。

あの頃の私に届いたらいいなと思って書いています。

 

 

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コメント

  1. 山本涼子 より:

    はじめまして。
    まずはブログを立ち上げてくださって、ありがとうございます!
    ツイッターで知り、いつも拝見させていただいています。
    着物を着る上で参考になり、勉強になることばかりで、とても感謝しています。
    着物には若い時から興味があり(今は40代)着付けも習ったのですが、なんとなく着ないままで、祖母や母から着物を譲り受けました。
    着ないともったいないよな~と思っている時にツイッターで椎名さん。さんに出会い、お花見に長羽織でゆうゆうと楽しそうな後ろ姿のお写真を見て、こんな風に楽しく着たい!と思いました。
    九州の田舎に住んでいても、今はネットでなんでも買えるので助かっていますが、椎名さん。さんが記事にも書かれているように、本に載ってない着物を着るうえでのちょっとした知識?知恵?アイデア?がなく、戸惑っていたのです。
    仕事では決まったものを着なくてはいけないので、もっぱら休日にしか着られないのですが、できるだけ普段着は着物を目指しています。
    YouTubeで着付けや帯結びの仕方を思いだしながら…(笑)
    まだまだこなれた立ち姿には程遠いですが、ゆっくり楽しく着ていきたいです。
    これからも拝見させてください。
    長々と失礼しましたm(__)m

    • tamaki.siina より:

      嬉しいコメントをありがとうございます☆
      キッカケにしてくださったお花見の後ろ姿は友人が撮影してくれたお気に入りです。
      その友人にも山本様のコメントのお話を伝えたら喜んでおりました。

      なんというか・・・・
      本当に「こういうふうに届いてくれたら幸せだな」
      と思った届き方をしていて、本当に嬉しいです。

      今後も色々上げていきます。
      もし「これ取り上げてよ!」みたいなことがあれば
      お知らせいただければそれについても書いていければと思います。

      今後ともよろしくお願いいたします!

  2. 山本涼子 より:

    お返事がいただけるとは思っていませんでした。
    ありがとうございます(≧∇≦)
    着物=きっちりかっちり着る、正絹なので高価、汚せないため窮屈、のイメージが誰しもあるのか、知人に普段着物生活始めると言ったら、大変驚かれました。
    ツイッターで、椎名さん。さんはじめいろんなひとが、色々な着方をしておられるのを拝見して、着物=着るものだよね?もっと自由に着てもいいよね?自分のだし!と勇気づけられました。
    譲り受けた着物も正絹の袷や羽織だったのですが、多少汚れても、後生大事にとっておくよりも着た方が喜ばれるよねと思いました。
    かさねて、数が欲しいのとあまりお金をかけられないので、リサイクル中心に購入している途中なのですが、羽織ってなんであんなに素敵なんですかね…いくつも欲しくなってしまいます(笑)
    椎名さん。さんの色合わせやコーディネート、とても素敵で記事とあわせて何回も見て参考にしています。
    よろしければ、お手洗いの仕方とか、着た着物のお手入れの仕方とか、ご教授いただければ幸いです。
    気がむかれたらでいいので、よろしくお願いしますm(__)m

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