着なくなった着物は譲る?売る?手放し方の種類とメリットデメリット

ハウツー

ごきげんよう、椎名さん。です。

本日は「着なくなった着物は譲る?売る?手放し方の種類とメリットデメリット」のお話です。

できれば捨てないで欲しい・・・

どう頑張っても着られないお下がり、
随分前にお迎えして今はもう好みが変わってしまった着物、
収納がパンパンで減らさなくちゃ・・・という状況・・・

着物を普段着ていると誰しも起こりうることだと思います。
普段着キモノスキーをやっていると・・・
着物って増えるんですよね(笑)

きっとファッションが好きな人全般に言えることかとは思いますが、
身体はひとつなのに着るものはどんどん増えていくのです(笑)

潔く
「着ないものは断捨離!!!」
捨ててしまう・・・というのは一旦待って欲しいのです。

いくつか理由はありますが
ひとつめの理由は着物は一点ものであること。
誰かにとって似合わない、着ない、不要なものが
誰かにとって運命の1枚だったりするのです。

ふたつめはもう作ることができない技術のものが沢山あるということ。
呉服産業はピーク時に比べて市場規模は70分の1と言われています。
売れなければ作る人の仕事はなくなりますから
凄い技術だって売れなければ廃れます。

タンスに眠っている着ない着物や帯にその技術があるかもしれません。
それはもう2度と生まれてこない着物かも知れないのです。
できれば、その着物の寿命まで全うしてほしいなと思うのです。

現実問題としてどんなにすごい技術を駆使したものであっても
着物や帯は高値で売れることはほぼありません。
なぜならそれは売れないから。

需要と供給の問題ですね。
売れる価格が安いのであれば買取の価格も安くなるのは当然です。
それでもできれば
次の人の手に渡るようにしてほしいなと思うのです。

本日はその次の人に渡るようにする手段をお届けします。

手放したいなーと思っている着物がある人へ
少しでも参考になれば幸いです。

手放し方アレコレ

人に譲る


(こちらは友だちのおかあさんのお下がり)

最初の手放し方は「人に譲る」という方法。
お知り合いに着物を着る人がいるならば、その人に譲るという手段ですね。

私は以前友人のお母さんが亡くなった時に
処分しようとしていた着物をぜーんぶ頂きました。

特に遺品整理など大変な時は
全部捨ててしまおうとなりがちです。
それ以外のことも大変なのでとっても分かるのですが
私はもったいな過ぎて
「全部詰めて送ってくれ!!」
とお願いしました。

友人は元々すべて捨てるつもりだったので
「売ってくれても捨ててくれても構わないよー」
と言って送ってくれました。

譲ったほうの経験ならば
「着物はじめたいんだよねー」
という知り合いに譲ったパターン。

着なくなった着物をスーツケースにパンパンに詰めて持って行って
気に入ったものを選んでもらって差し上げました。

この時気を付けるのは
押し付けないようにすること。

実はあんまり好みでないものを譲られても着ませんからね。。。
相手が好きだと思っているものだけど差し上げられるようにしたいです。

上記の友人のお母さんのものについても
友人は「自分の手を離れたものは好きにしてもらって構わない」
というスタンスでいてくれました。

だからこそ私も気軽に
「全部送ってくれー。何とかするよー」
と言えたのです。

人に譲ることのメリットはやはり
「必ず着てもらえる人に譲れるところ」です。
友人、知人であればそれを着て一緒に遊びに行くことだってできます。

私は貰った着物を着た時は必ず譲ってくれた人に
着た写真を送っています。
また、譲った知人も「着たよー」と教えてくれます。

私では着こなせなかった着物が可愛く着られているのを見るのは
とっても嬉しいものです。

デメリットは「相手は本当に気に入ってくれているのか?」
を見極めるのがちょっと難しいかなというところです。
基本的にこちらは着ないものをお渡しするので
「もしかして気に入らないのに引き受けてくれるのだとしたら・・・」
と時おり考えてしまいます。

これについてはもう相手の反応を信じるしかないのかなと思っています。

SNSでお譲り箪笥


(SNSで譲っていただいたもの)

ふたつめの方法はSNSでお譲りする方法です。
私はよくtwitterで見かけますが
「#お譲り箪笥」で検索すると
お譲りに出したいものを上げます。

基本的に写真とサイズや素材、お値段と配送料についてを記載します。

金銭のやり取りは基本的にpaypayが多いようですが
個人間でのやり取りなのでご自身のやりやすいやり方があるならば
それも記載して募集をかければよいと思います。

着てくれるなら無料で(着払い送料のみで)差し上げます。
というパターンも多く見かけます。

私はこのパターンで頂いたことがありますが、
その時の条件は「お互いの住所を知られてもいいよ」という方、
大事に着てくれる方、という条件でした。

SNSでのお譲りは顔こそ知らないものの
可愛く着こなしてくれる人が貰ってくれるパターンが多いので
いい手段だなと思います。

メリットはリアルな知り合いに譲る時と同じで
着てくれることが多いという点。
デメリットはネット上だけの知り合いに住所を知られるのはちょっと・・・
という方にはハードルが高い点と
金銭のやり取りが発生する場合はきちんとしたやり取りは必要になるという点です。

 

メルカリやヤフオクで販売する


(メルカリで買いました!)

3つめの手段はフリマアプリやヤフオクで販売するという手段。

写真を撮ってサイズを測って、素材や状態を記載して出品します。
乗せるべき情報はSNSでお譲りするときと変わりませんが
違うのは販売のサイトのシステムを使用できる気軽さと
その分手数料を取られるという点です。

必ずしも売れるわけではありませんし、
売れるまでの期間は自宅に保管しておかなければなりませんが、
基本的には自分の希望金額を提示することができますし
メルカリなんかは配送も楽だなと感じます。

気を付ける点は発送時のパッキング
特に着物周りのものは正絹のものが多いので
配送中に雨が降って濡れてもいいように
防水使用のパッキングにすることをお勧めします。

また、配送料を安くしようとして小さく折りたたむと
シワの原因にもなるので、その点も注意が必要です。

状態の良し悪しについては個人の感覚に寄るので何とも言えないのですが、
汚れやシワは必ず写真に撮ってアップしておくことと
着用の可否については個人差があることを記載することをお勧めします。

それでも不安だな・・・という場合は
「素材用」という表記をしてお値段をぐっと安くしておくと良いかと思います。

素材用と書いてあれば私が買う時も
「まぁそれなりの状態なんだろうな」
という認識になります。

メリットは自分の言い値で販売できることと
システムを使用できるので決済や配送が楽であること。
デメリットは実際に着てもらえているかどうかが分からないことと
売れるまでは自宅で在庫として置いておかなければならないことです。

一刻も早く手放したい!という人には不向きかも知れませんが
言い値で売りたいんだよね。という人には向いています。

個人的にはいわゆる正統派と呼ばれるようなフォーマルに近いものよりも
カジュアルな小紋などの方が売れやすいように感じます。

→おススメ記事「【初心者向】着物や小物を探すのによく利用していたショップ(今も使ってます)」

中古販売業者に売る

最後の手段は中古販売業者に売る、です。

中古販売業者には自分で持って行ってその場で査定してもらう対面方式、
自宅まで来て査定してもらう訪問方式、
段ボールに詰めて売る配送方式の3種類があります。

車などその場まで持っていく手段があって
近所に買取をやっているお店がある場合などは対面方式ができます。

対面方式のメリットは査定の間に他の買い物をしたり、
自分の希望の金額でなければ持ち帰ることも可能という点です。
デメリットは待っている間に他のものを買って結局荷物を増やしてしまうかもしれない点と
持ち込む場所によっては全く着物のことが分からない人が査定することもあるという点です。

着物を専門にしている福服さんなんかだときちんと見てくれますが
色んなものを売っているリサイクルショップでは
あまり良く分かっていない人が見る・・・ということもままあるようです。

訪問販売は遺品整理などをする人が良く使う手段だそうです。
全国どこでも見に行きます!
という業者さんも数社あり、重い思いをして持っていかなくてもいいのは良い点です。

もう一つのメリットは自分でパッキングしたり
配送の手続きをしなくてもいいという点です。
これ、結構面倒ですものね。。。

デメリットとしては自宅に人が来ること。
そしてよく聞く話ではありますが
「着物以外に宝石なんか売るものはありませんか?」
と別のものを買取したがるそうです。

実際問題ここまで述べたどの売り方をしても
正直なところ着物販売は決して高いお値段は付きません。
100万もした訪問着が売ってみたら数千円にしかならない。。。
というお話もよく聞きます。

それはやっぱり、買い手が高い値段で買ってくれないからです。

中古販売業者としても着物は薄利ですから
利益の高い他のものを売って欲しいと思うんですよね。

また、訪問買取をしているところの中には
バチ衿(広衿(ひろえり)を半分に折った状態で縫いとめた衿)のものは買い取らない、
サイズの小さいものは買い取らない
というところもあるようです。

不安であるならば一度問い合わせをした上で依頼するのが良さそうです。



配送で販売するパターンの場合は
自分でパッキングして指定された場所に発送し、
査定してもらって値段に納得がいけば振り込んでもらい、
納得がいかなければ返送してもらうというもの。

メリットは誰にも会うことなく完結するので
持っていくのも難しい、スケジュールを合わせるのも難しいという人にもできる点。

デメリットは自分でパッキング等しなければならない点と
査定しているところを見れないので「何故その価格なのか」が見えにくい点です。

この発送して買い取ってもらうスタイルは
普段リーズナブルな価格で販売しているネットショップのお店も多く
その販売価格を見るときっと買取価格も安いんだろうな・・・とは思います。

ただ、その販売のラインナップを見ると
訪問販売では断られると言われているバチ衿や
サイズの小さい着物も売られているので
買取や引き取りを断られるということは少なそうだなという印象です。



どの販売業者さんにも言えることですが
買取価格は想像しているよりもお安いです。
そして仕付け糸が付いているような新品よりも
サイズが大きめで現代人の身体でも無理なく着られるサイズの方が買取価格が高くなるそうです。

まとめ


(いいお譲り先が見つかりますように)

手放す手段は

・友人、知人に譲る
・SNSでお譲りする
・メルカリやヤフオクで売る
・販売業者さんに引き取ってもらう

個人的には上から順に試すと
来てくれる人にいきわたる可能性が高いのかなーと思っています。

いやー・・・着物、手放したいと思ってるんだよね。
という人の参考になれば幸いです。

今後細かい譲り方のこともいずれ書けたらなーと思います。

では、また次回。
じゃぃねー。

 

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